生まれてきてごめん。
精神障害を患ってもう長い。
発症当時、私は家出をした。
もう家に帰ることはないと決意して、東京へ上京したのだった。
仕事が続けられなくなってどうにも立ち行かなくなり、
実家には帰りたくなかったが金銭面がどうにもならず、
帰ることを決めたのが昨年の11月であった。
私の心は不安で一杯だった。
家出をした理由が、
「家族には私の病気が理解できないから」
「私がいると家族が私に気を遣う」
「私が精神障害を持って生まれたことを悲しむ」
からだったのだけれど、
今更帰ってまた一から関係を築くのはきっと難しいだろうなとなんとなく感じていたのだ。
実家に戻ってもう1年が経つ。
既に家族は疲弊している。
私も疲れてしまった。
私がどう感じているのか、
家族には全く理解が出来ないらしい。
私は私で、私の心情や行動の理由を説明するのはやめた。
そんなことしても、何の役にも立たない。
あなたの思い込みよ。
考えすぎなのよ。
そう言われてお終いなのだから。
私がどう感じたか、何故そう思ったかなんて関係ないのだ。
私の育て方が悪かったから…。
そう言って泣く母を見るのは辛い。
生まれてこなければよかったと何度思ったか。
私だってこんなに苦しみながら生きていくのは辛い。
大好きな母にそんなことを言わせてしまう自分が憎くて堪らないのだ。
大好きな母。
私の病気の事はちっとも知ろうとしない母。
母が憎い。
だけど、母の事が大好きだ。
ごめんね、こんな風に生まれてしまって。
妹に朝の挨拶をして、無視された。
私は2回、「おはよう」と言ったのだ。
確かに、2回、「おはよう」と言ったのだ。
妹は返事はしなかった。
私はそれ以来、妹とは口を聞いていない。
私が起きると妹はリビングからいなくなる。
私と顔を合わせたくないのだろう。
ごめんね、こんな姉で。
さぞ憎かろう。
私も居なくなりたいよ。
弟が食中毒を起こした。
私は弟が食べられるようにと重湯を作った。
妹が看病で付きっきりだったので、
母に弟が食べられるように重湯を作ったと伝えた。
重湯は食べられることはなかった。
妹が重湯を作って弟に食べさせた。
鍋には私の作った重湯が残った。
余計なことしてごめんね。
私が作ったのは食べたくないよね。
私の勘違いだか思い込みのせいで、私は勝手に傷ついていて、
家族はそのせいで疲れるんだそうだ。
私はどうしたらいいのか分からない。
家を出て、もう一度一人暮らしをするべきなのだろう。
でも、部屋を借りるようなお金もないのだ。
ろくに働くことも出来ない。
自分で思う、こんなんで生きてて楽しいのかよって。
生きてるだけで迷惑かけてるじゃん、て。
そう言うと母はまた大泣きして怒るのだ、私はどうしたらいいのか分からない。
生まれてきてごめん。
ただただ、そう思う。
生まれてきたくなかった。
私、みんなの事大好きだもん。
迷惑かけて、傷つけて、こうして生きててごめん。
みんなの事大好きだから、消えてなくなりたいよ。
憎くて大好きな人達。
生まれてきてしまって、ごめんね。